熊本市南区近見5-3-1
CASE5 心臓関連脳卒中
脳卒中には心臓などにできた血栓が原因で起こるものがあり、
そのような脳卒中は再発の危険性が高い。2019年度中に『済生会熊本病院』で
治療が開始されるカテーテルを使った新しい手術法について、理解しておこう。
心臓を治療して
脳卒中の再発を予防
「心臓の左心房には左心耳という小さな袋状の器官があり、心房細動=心臓上部が細かく震える症状で、血流がよどむためそこに血栓ができやすくなります。左心房内にできる血栓の90%は左心耳由来であり、さらに左心耳でできる血栓は大きい傾向があるため、それが脳に運ばれ血管に詰まると、重症の脳梗塞になる確率も高い。だから再発防止のために、その左心耳を閉じる〝経皮的左心耳閉鎖術〟と呼ばれる手術があります」(坂本先生)。これは500円硬貨サイズのデバイスで、左心耳を塞ぐというもの。既往歴などが要因で血栓を防ぐための抗凝固薬を飲めない場合や高血圧等の基礎疾患があり再発リスクが高い場合などに適応され、永久的な効果が期待できる。
また『済生会熊本病院』では、心臓の中央の壁に開いている孔(あな=卵円孔)を閉じる〝経皮的卵円孔閉存閉鎖術〟も開始される。「卵円孔は4人に1人の割合で持っている、右心房と左心房との間の隙間で、特に問題がないことも多いのですが、まれにエコノミークラス症候群などが原因で、静脈に発生した血栓が卵円孔を通過して左心房、そして脳に達した場合、脳卒中の原因となる可能性があります。また10代という、若い年齢での症例も見られます。そのため専用のデバイスで卵円孔を閉じることが、脳卒中の再発防止に繋がるのです」。〝経皮的左心耳閉鎖術〟と〝経皮的卵円孔閉存閉鎖術〟は、いずれもカテーテルによる手術で、専用のデバイスを鼠経部の静脈から心臓に届ける。さらに心臓を動かしたままの処置が可能なので、開胸手術に比べても身体への負担が格段に少ないのが特長だ。
どちらの手術も2019年に保険適応となり、『済生会熊本病院』では〝経皮的左心耳閉鎖術〟を9月に開始し、〝経皮的卵円孔閉存閉鎖術〟を12月より開始予定。既に、従来の手術室にカテーテル手術で使用する血管X線撮影装置を組み合わせたハイブリッド手術室が稼動していることに加えて、新たに循環器内科医や脳神経内科医、心臓血管外科医が連携する、〝ブレインハートチーム〟を組織して、九州でもいち早く2つの手術の導入体制を整えた。「脳卒中は脳内で起こるものですが、実は心臓を治療することで再発を予防できることもあります。まずはそのことを知っていただき、適切な治療法を選んでもらいたいです」。


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