多くの人を悩ませる慢性的な鼻づまりやニオイがよく分からないという症状。なかでも、ぜんそく持ちの人が気をつけなければならない「好酸球性副鼻腔炎」という病気をご存じだろうか。具体的な症状や対処法について、鼻の日帰り手術を専門に行う『唐木クリニック』の唐木院長に話をうかがった。
鼻副鼻腔手術が必要な
難治性の副鼻腔炎
開院から今年で5年目を迎える『唐木クリニック』。県内では珍しい鼻の日帰り手術を専門的に行う耳鼻咽喉科で、鼻に関する症状の改善のみならず、入院による時間的・肉体的・金銭的な負担の軽減に力を入れている。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)やアレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症などによって引き起こされる鼻水、鼻づまりなどのつらい症状は睡眠の質にも影響を与え、慢性化するとQOL(生活の質)の低下へとつながる。「なかでも最近、患者からの相談で多いのが『ニオイがよく分からない』という訴えです。考えられる要因はさまざまあるものの、ぜんそくの症状を持つ方が注意すべき病気として『好酸球性副鼻腔炎』が挙げられます」と唐木院長。
好酸球性副鼻腔炎は国が定めた指定難病のひとつ。病気に罹ると鼻の中に鼻茸(鼻腔ポリープ)が多数でき、粘り気のある鼻汁と合わさって強い鼻づまりと嗅覚障害を示す。鼻づまりによる口呼吸がぜんそく発作を誘発し、著しい呼吸障害が起きることもあるという。鼻茸を取り除く鼻副鼻腔手術が必要な病気だが、手術を実施している病院がとても少ないのが現状だ。
「手術に対応している病院が少ない病気ですが、当クリニックは日帰りで行っています。手術によって鼻茸を摘出すると、鼻閉は一時的に改善しますが、また再発をする可能性が高い難治性の病気です。術後6年間で50%の方が再発するといわれているため、病態に応じて薬物治療を行っていくなど継続的な治療が大切です」。ニオイが分からないと食事もおいしく味わえないため、食欲が低下してほかの健康リスクも高まる。早めの治療が望ましい。
患者に負担の少ない
日帰り手術へ注力
好酸球性副鼻腔炎をはじめとする慢性副鼻腔炎や慢性的に続く鼻炎は、薬などの保存的治療では効果が少なく、多くの場合は手術が必要となる。そうとは知らずに何年もの間、病院やドラッグストアなどで購入した薬を飲み続けている人もいるのではないだろうか。たとえ手術を勧められたとしても、仕事や家事にかかりきりだと手術に踏み切れないという人も少なくはないはず。
「日本で鼻副鼻腔手術を行う場合、多くの施設では一週間程度の入院が必要となりますが、欧米では今や日帰り手術が一般的。それくらい安全で気軽に受けられる手術になってきています。患者様にとっても痛みが少なく、効果に優れ、短期間で行える方法が理想的だと思います。だから当院では日帰り手術を行っているのです。夜間の子どもの預け先に悩んでいる、小さいお子さんをお持ちの保護者の方にも好評です」と唐木院長は話す。同院で日帰り手術を受けた人からは「仕事を休まずに手術を受けられて良かった」「年間の治療費が大幅に減った」「苦痛が噓みたいにおさまった」という声が多くあがっているという。評判を聞きつけて長崎や宮崎からわざわざ足を運ぶ患者もおり、手術件数はひと月あたり約30件に上る。
同院は耳鼻咽喉科専門クリニックとして、副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症など鼻に関する病気のみならず、中耳炎やめまいといった耳の病気、扁桃炎や咽頭炎、声帯ポリープ、睡眠時無呼吸症候群など、のどの病気にも対応。アレルギー科もあり、常時2名の日本アレルギー学会専門医が診察と治療を行う。女性医師も1名常勤しているため、女性の患者も気軽に相談しやすいと好評だ。日常生活に支障のあるような慢性的な鼻炎や耳・のどのつらい症状、アレルギーに悩んでいる方は、一度訪れてみるといいだろう。
096-366-1187