CASE10 心不全
心臓の機能低下が全身のさまざまな不調を引き起こす心不全。近年は高齢化が進み「心不全パンデミック」といわれるほど増加傾向にある。八代市の『熊本総合病院』で行われている治療法などについて聞いた。
院内連携を強化し
チーム医療を推進
心不全を発症すると、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなって心機能不全状態や心機能喪失状態に陥る。放置すると悪化して心機能が低下し、命の危険も増す。「呼吸がしにくい、息切れがする、足がむくむなどの症状で発見されることが多く、病院ではレントゲン写真や心エコー検査、血液検査を行って診断に至ります。病状によって入院が必要な場合、外来で改善する場合があり、治療方針は心不全の原因となる疾患に応じて選択することになります」と小出先生。
熊本総合病院では看護師、管理栄養士、リハビリテーションを行う理学療法士や作業療法士、薬剤師、病院と自宅をつなぐ地域連携室といった多職種で構成された〝ハートチーム〞が治療に当たる。「患者さんを自宅に戻してあげるため、患者さんに寄り添い、メンバー同士が密接に連携して取り組んでいます。チーム医療は今後、ますます重要になるでしょう」(小出先生)。
そのため、ハートチームは5〜6年前から毎週1回カンファレンスを実施。メンバーが一堂に会して患者さんの情報共有を図っている。チーム医療を強化して退院までの道筋をつけるのが狙いだ。予防のための教育も目的の一つ。患者さん本人だけでなく、家族の理解・協力を促すことにも力を注いでいる。
『熊本総合病院』循環器内科では常勤医師4人、非常勤医師1人が治療に当たっている。医師同士はもちろん、かかりつけ医とも連携を図りながら、地域の病院で患者さんに向き合う。
0965-32-7111