玉名市上小田1063 公益財団法人 日本医療機能評価機構認定病院
医療、介護、福祉の総合力で
〝面倒見の良い病院〞を目指す
専門医やスタッフの
指導で安心のリハビリ
玉名市中心部から北東へ約4㎞、菊池川沿いに建つ『悠紀会病院』は、1991年の開業以来、介護老人保健施設、回復期リハビリ病棟、介護医療院などを次々に開設。地域医療、介護、福祉の機能を併せ持つ複合施設として発展してきた。現在では回復期と慢性期医療を受け持つ病院として広く知られる。
古森顕一院長は「今日の医療は病気を治すことに加え、その人の生活を支えることに視点が置かれています。つまり退院後の生活を想定した支援が重要視されているのです。したがって病院には療養機能だけでなく、リハビリテーションの役割が求められています」と話す。
『悠紀会病院』は玉名地域でいち早く回復期リハビリテーション病棟を開設。身体的機能向上のための筋肉トレーニングなどのほかに、簡単な計算や音読療法、音楽療法などによる認知症予防のためのリハビリを行っている。その成果は約80%という高い在宅復帰率に表れている。
「高齢化はさらに進んで、これからは90歳代や100歳以上の人たちが日常生活をおくるための体力維持が求められます。熊本市などで急性期治療を受けた後、玉名地域に戻って継続的な治療やリハビリを行う慢性期医療のニーズも一層高まります。今後は回復期リハビリテーションをもっと充実・強化したい」と古森院長は語る。
さらに古森院長は「食」の大切さも強調する。「食が細くなれば筋肉が細くなり、生活に支障をきたします。かむ力、飲み込む力も衰えます。当院は病院食の材料や味付けに気を配り、患者さんがおいしく食べられるよう努めています」
関連施設が緊密に連携
安心ネットワーク構築
一方、反後敏夫理事長は〝面倒見の良い病院〞を目指しているという。「医療だけでなく、介護や福祉を含めた多職種協働によるチーム医療で〝面倒見の良い病院〞の実現に取り組みたい」と語る。
そのため、医師・看護師・介護福祉士・リハビリ専門職・社会福祉士・管理栄養士など多職種によるチーム医療の充実を図り、各関連施設が緊密に連携し合って医療、介護、福祉の切れ目のないケアを提供。〝安心のネットワーク〞を構築している。患者さんの生活に寄り添った関わりを持ち続けているのだ。
そうした組織の要となるのは人材である。悠紀会はより良い医療、介護を提供し続けるため、「人間尊重」「大家族主義」を掲げ、職員を大切にすることを目指している。反後理事長は「今後は患者さんを支える介護職の人材が不足するため、人材の育成や確保にも取り組まなければならない」と語る。
基幹病院や地域の医療機関、介護福祉施設などとの連携を図り、地域のかかりつけ病院としての役割を果たし続ける悠紀会病院。2023年8月には、玉名市中心部にある『玉名脳神経外科医院』の事業を継承し、新たなステップを踏み出そうとしている。