熊本市西区田崎1-3-76
角膜手術・緑内障も日帰り
眼疾患の予防・治療に貢献
県内でも数カ所のみという角膜移植手術も受けられる『たさき眼科クリニック』。角膜移植や緑内障手術は従来、大きな病院で行われてきた。しかし高齢化が進み、初めての施設での手術で、入院後に今まで考えられなかったような行動をとる人もいる。そのような高齢者のために可能な限り、日帰り手術を行っている。
白内障手術では濁った水晶体を取り除き、代わりとなる人工のレンズを入れる。保険診療での単焦点レンズを用いる手術の場合、遠近すべての距離に焦点が合うわけではない。運転をしない人、室内で家事中心の生活する人、テレビも見ず、パソコンをする機会が多い人には身の周りに焦点を合わせた方がいい人もいる。もちろん、運転免許更新を眼鏡装用なしでしたい人、ゴルフを眼鏡なしでしたい人もいる。つまり、患者全員に向けて裸眼で遠方視力1・0を目指す手術ではなく、「どういう生活を送りたいかをお聞きして、その方の生活様式に応じた最適な提案をしています」と池間院長。
緑内障は眼から脳に情報を送る視神経の傷害で、治ることはない。眼圧コントロールが不良だと緑内障が進行する。「緑内障は目薬で眼圧をコントロールすることで進行を緩やかにできます。ただ、目薬によるコントロールが困難となり、必要とあれば適切な時期にレーザーや手術を受けましょう」とアドバイスをおくる。
治療より予防が大事
説明も分かりやすく
同院には交通の便が悪い地域から通院する高齢者もいて、眼鏡を作るよう勧めても、眼鏡店が遠く、行くのも大変といわれることもある。さらに眼鏡処方箋を発行しても再調整が必要なこともある。そこで入口に『メガネの大宝堂』を誘致。お店が目の前だからこそ眼科受診のついでに往来もしやすく、有事の対応も迅速にできる。
「治療よりも予防が大事。白内障でも緑内障でも相当病気が進行してから受診されるのではなく、定期的に眼科検診を受けていただきたいです」(池間院長)。60歳を過ぎると1割が緑内障になるともいわれる。「目の中はご自身からは見ることができないので、専門的に検査を行い正常な状態と比べて問題点を見つけ、個人ごとに適した治療をご提案しています」。
外来では目の状態の説明には模型やポスター、デジタル機器、文献などを用い、患者に理解しやすい工夫をしている。また手術を施行した日は一人ひとりに連絡し、状態確認をしている。「自分の身内が病気になった時にこうしてもらえたら安心という対応を心掛けています」と池間院長。
高齢者に寄り添う地域のかかりつけ医である同院。診療を予約制にしていないのは、目に不調をきたした方に「予約は〇日の□時ですから、そのとき来院ください」とは言えないためだという。また通院できない方のために自宅や施設に往診にも出向いている。治療は叶わなくとも診療を受けられるだけで安心される方もいるそうだ。