上益城郡嘉島町鯰1880
スポーツ医療から回復期リハビリまで
多角的に身体機能の維持・回復を目指す
県内外のアスリートを
スポーツ医療で支える
上益城エリアのリハビリ拠点病院である『熊本回生会病院』。2015年の施設リニューアル時に新設した「スポーツメディカルセンター(SMC)」、同院の要である回復期リハビリテーション、そして運動療法を行うフィットネスクラブ「メディフィット回生会」を3本柱として、地域医療から県内外のアスリートへのサポートまでを幅広く担っている。
なかでも同院で最も注目を集めているのが、アスリートへの先進的な治療を行うSMCだ。2023年4月に院長へ就任した整形外科医の鬼木先生をリーダーとして、スポーツに励む幅広い年齢層の患者を、開設から8年で延べ約4万人受け入れている。スポーツ医学の観点から、ケガの治療や予防のみならず、パフォーマンスの向上などトータル的なサポートを実施しているのが特徴だ。
膝前十字靭帯再建術や人工関節置換術などの高度な技術が要求される手術をはじめ、自分の血液から抽出した高濃度の自己多血小板血漿を用いた「PRP療法」や、自己たんぱく質溶液を関節内に投与し痛みを和らげる「APS療法」など、先進的な治療法に取り組む。膝前十字靭帯に関連した治療における新たな試みとして、ハイディマンド(複雑な動きを必要とする)スポーツに適した手術法も研究。練習量が多く、動きも複雑かつ繊細な高レベルの選手のクオリティを維持できるような高難度の治療にもチャレンジをしている。
また、変形性膝関節症の早期発見と治療にも注力する。スポーツに打ち込んだ人が40代以降に発症しやすい病気で、進行すると歩行困難に陥る。同院では、半月板を膝中央に戻すセントラリゼーションと骨切り術を併用してこの治療にあたり、治療件数は県下トップクラスを誇る。「スポーツに打ち込んだシニア世代をもう一度、スポーツの現場に戻してあげたい」という鬼木先生の思いが背景にある。
365日切れ目のない
回復期リハビリに注力
同院では施設内に備える中央リハビリテーション室と2フロアの回復期病棟に設置した専用の訓練室を用い、切れ目のない積極的な回復期リハビリに力を入れる。専門医や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが一丸となってリハビリに当たるほか、併設する歯科で歯科衛生士によるケアを受けることができるのも魅力だ。関連施設『メディフィット回生会』では、医療と連携した科学的根拠に基づく運動療法を実施。嘉島町と提携し、生活習慣病に重点を置いた包括的な健康増進プログラム(嘉島町国保キレイ血管プロジェクト)を提供している。
県内外のアスリートが信頼を寄せるスポーツ医療から、地域の健康を支える回復期リハビリテーション、フィットネスまで、多角的な視点であらゆる身体機能の維持・回復に努める同院。開院から47年目を迎える現在も、上益城エリアの中核病院として日々進化を続けていく。