東洋思想の陰と陽を軸にした料理
「重ね煮」で心と体を整える
~『あそ統合医療研究所』の取り組み~
「ぬくもりと安心の医療」を理念に掲げる『阿蘇立野病院』。2024年12月、
同院に併設する『あそ統合医療研究所』で、心と体を整えるための料理勉強会
「ごはんとひとLAB0」がスタートした。会の中心人物である上村千恵理事と
とねり「重ね煮」という調理法を伝導している料理家・戸練ミナさんに話を聞いた。

体と向き合うことの大切さ
自分らしく生きるために
ー重ね煮に注目した理由は?
上村 食は医療的な観点のみならず人生をよりよく生きる視点からも重要です。食からのアプローチを取り入れたいと思い、たくさんの野菜をおいしくいただける重ね煮を知りました。長野県安昼野市に童ね煮を20年研究している料理家がいると聞き、実際に料理教室に参加したんです。それが戸練先生との出会いです。
戸練 童ね煮は東洋思想の陰と陽の考えを基に、鍋の中に野菜を重ねてじっくり煮る調理法です。一見シンプルですが、どんな野菜を使うか、下処理、切り方、重ねる順番…など、押さえるべき基本があります。その分、とにかく野菜がおいしくなる。おいしいものを食べると心の健康にもつながります。
ー現在の活動について教えてください。上村会の発足から現在まで、集まったメンバーで「きほんの重ね煮」を中心に深めていきます。今回は直接戸練先生がお出でになられたので重ね煮の面白さや食養生などお話頂き調理も体験できたのでより興味を持たれたと思います。
戸練 参加された方からは「自己流でやっていた重ね煮と、野菜のうまみが全然違う」という驚きの声も。一度作った煎ね煮は、汁物やおかずなど幅広くアレンジできる利便性もあるので、ぜひご家庭の健康づくりに役立ててほしいです。
ー健康を考える機会になりますね。
上村 今後の人生を自分らしく生きる上で、体と向き合う時間は重要です。そのきっかけになるよう、当研究所では料理以外にも季節ごとのお花の教室も取り入れ、SNSで情報を発信しています。今後も医療と両輪となって皆さんの健康をサポートしてまいります。

「重ね煮」料理研究家・戸練ミナさん(左)と『あそ統合医療研究所』理事・上村千恵さん

火にかけてすぐの重ね煮。シイタケ、小豆、ジャガイモ、ゴボウなどが鍋一杯に入っている。調味料はごく少量の塩とゴポウの下処理用の梅酢、ごま油のみ



同研究所の調理室。
窓の外には阿蘇の豊かな自然が広がる

一人ひとりの「よりよい人生」をサポート
あそ統合医療研究所について
阿蘇立野病院は2009年4月、オゾン療法と磁気シャワー(交流磁気治療)といった自由診療を提供する『九朴lオゾンマグネ療法研究センター」を設立。2015年12月にはラドン療法(温室浴)を導入し、名称を「あそ統合医療研究所』に変更。医師の指導の下、悩みに応じた療法を組み合わせて、体の回復力を高めるサポートに注力している。



治療室には利用者が休めるベッドを用意。ゆっくり過ごせるよう、落ち着いた雰囲気にこだわっている

低線量放射線と水蒸気が漂うラドン温室ルーム。岩盤浴のような温かさが感じられる



あそ統合医療研究所 (医療法人社団順幸会阿蘇立野病院)


あそ統合医療研究所所長
阿蘇立野病院理事長
上村晋ー先生(うえむらしんいち)
日本医療環境オゾン学会会長
日本医師会認定産業医