菊池郡大津町大津1212-29
年齢問わず発症する眼の疾患に
幅広く応える、かかりつけ眼科
電子カルテで情報管理
迅速で丁寧な診療を
先代院長である祖母は、大津町で眼科医を開業し、約60年もの長きにわたり地域の医療に貢献してきた。阿蘇から通院する患者がいるほど活躍した祖母の意志を継ぎ、2010年に開業したのが岩上院長だ。大津町の中心に建つ、モダンな外観。光が差し込む吹き抜けの待合室では、笑顔のスタッフが迎えてくれる。岩上院長は子どもの斜視や弱視の早期発見にも取り組んでいる。結膜炎やなど身近な眼病から、白内障・緑内障・加齢黄斑変性症など重篤な疾患まで幅広く診療。かかりつけ医として、多くの家族が信頼を寄せる。
眼の病気は自覚症状を感じにくく、気付いた時には重症化していることもある。例えばまぶたの異変も、皮膚科ではなく眼科かもしれない。アレルギー体質でなくても突然かかる眼病がある。「大人になると検査の機会も少ないので、早めの受診がとても重要です」と岩上院長。
診察では電子カルテと画像ファイリングシステムを導入しており、網膜の断層画面を撮影する〝OCT検査〞や、〝眼底カメラ〞などのデジタルデータと連想させ、スタッフとも結果を共有。検査直後でも、そのデーや画像を患者に示すことができ、より分かりやすい説明に理解も深まる。
時期を逃さず治療を
加齢黄斑変性症に注意
眼に関する様々な疾患の中で、岩上院長が最も注意喚起したいと考えるのが、加齢黄斑変性症だ。わずか1カ月ほどで急激に悪化する場合もあり、重症化すると視力が0・1以下、文字が見えなくなって、社会的失明=重度の視力障害になる危険性がある。誰にでも発症する恐れがあり、症状としては視界の中心が黒くなったり、ぼやけたりするほか、物が曲がって見えることがある。両目では変化がわかりづらく、片目ずつで確認した方が異変に気付きやすい。「ただし早期発見して治療のタイミングを逃さなければ、視力が1・0ほどにまで劇的に回復することもあります」と岩上院長。
現在は、注射による抗VGEF療法が主流だ。網膜細胞に異常があると、酸素や栄養が不足する。それを補おうと、眼の中に正常ではない新生血管が発生。注射でそれを抑制し、黄斑にたまった水(浮腫)を改善する効果があるという。眼球の白目部分への注射で、局所麻酔で痛みはほとんど感じない。治療開始から3カ月は月1回、その後1年間は2カ月に1回、最終的には3〜4カ月ごとに実施。効果も高いことから、同院では年間200例以上も実施されている。また光に反応する薬剤を体内に注射し、その薬剤が新生血管に届いた時にレーザーを照射する光線力学的療法(PDT)との併用で、抗VGEF療法の回数を減らせることが判明しつつある。限られた医療機関でしか行われていないため、『岩上眼科』では連携している『熊本大学病院』への紹介も行っている。