熊本市東区戸島2-3-15
回復期・在宅支援・疾病予防まで
地域の健康・福祉をサポート
〝糖尿病学会認定教育施設〞
の認定機関でもある
高度急性期病院から転院する患者のリハビリや、継続した治療と療養を行い、在宅支援につなげる『くまもと成仁病院』。同時にかかりつけ医としての機能も持つ。退院後も在宅での訪問リハビリ・訪問看護をはじめ、〝看取り〞まで一貫したサービスを提供。退院後の生活不安を少しでも解消しようと、多方面のケアを提供している。2023年には、申請中となる熊本市高齢者支援センター『ささえりあ託麻』・益城町宮園にある介護老人保健施設『平成唯仁館』内にも益城町東部圏域地域包括支援センター(愛称『こころねっと』)を設置。同じ法人から2カ所の設置は珍しく、自治体からも地域包括ケアシステムの核として期待されているのが分かる。
特に注力しているのが、生活習慣病への対応・予防だ。なかでも糖尿病は「日本人の10人に1人が予備軍」といわれ、さらなる増加が予想されるなか、『くまもと成仁病院』は2005年に〝糖尿病学会認定教育施設〞として認定されている。合併症の予防には、食事・運動・薬物の療法を組み合わせた、適切な血糖コントロールが必要だが、それを臨床でできるエキスパートが〝日本糖尿病療養指導士(CDEJ)〞。現在約550名の糖尿病患者が通院中の同院では、熊本県でトップのCDEJが在籍(2023年8月現在)している。専門的な知識を活かして一人ひとりの患者に合ったケアを行っているのだ。
「選ばれる病院」として
地域貢献を目指す
天然温泉もあるリハビリ室では、車椅子のお年寄りが囲碁・カラオケ・ボウリングなどに加え、eスポーツで若者と対戦している。自転車をこいで有酸素運動を行うコグニバイクは、タッチパネルでクイズに答えて、認知機能も同時に活性化する機能付きだ。
入院時の回復期から退院後の在宅でのリハビリを行う専門スタッフは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など約80名。介護支援専門員(ケアマネージャー)資格保持者は職員に約90名が在籍。熊本市東区にインターナショナルスクールができ、今後は外国の方との交流も多くなるだろう。同院もフィリピンの介護技能実習生を2名受け入れ、介護人材確保に努めている。
「地域に選ばれる病院」を理念に掲げる同院は、健診事業においても全国健康保険協会の生活習慣病予防健診実施登録機関として、地域の方々や地元企業へ向けた健康支援を充実。内視鏡検査医師も3人体制となり、さらに2023年秋からは特定保健指導の業務を開始する。
地域の信頼に応えるには、院内でのこまめな情報共有も不可欠だ。そこで、毎朝11時に医師や看護師、リハビリ、相談員など様々な職種が集まって病床運営会議を行っている。上原院長は「退院したら終わりではない。スタッフ全員が、患者様にとって最適な方法を考えています」。