CASE4 不整脈(心臓)
65歳以上の30人から50人に1人が発症するといわれる不整脈。心臓病の一つで脈が乱れる状態を指すが、症状や対処法はさまざまだ。そこで、最新の治療法や日頃から心掛けたい点について話を聞いた。
不整脈の一つとして最も発症の多い心房細動は、心房が十分に収縮せず脈が速くなったり遅くなったりする病気。「心房細動は筋肉でできた心臓が加齢などにより繊維化し、筋張ってくることで発生します。軽い動悸くらい大丈夫だろうと放置していると、脳梗塞や心不全などに繋がる恐れがあります」と古山先生。動悸が1、2時間続く場合、かかりつけ医に相談してほしいと呼び掛ける。
医療の進歩で治療が
短時間かつ安全に
主な治療は大きく分けて3つあり、一つ目は抗不整脈薬剤を組み合わせて症状を抑える薬物療法。根治を目指すなら、カテーテルを用いて熱や冷凍により発生源を消失させるカテーテルアブレーション、あるいはペースメーカーなどの機械を植込むデバイス治療がある。デバイス治療の場合、術後の定期的なフォローアップも欠かせない。
不整脈の治療にワンストップで対応する『済生会熊本病院』には不整脈先端治療部門があり、年間約千件のカテーテルアブレーション治療を実施。同院にしか対応できない治療を求めて県外から訪れる患者も多い。3Dカテーテルナビゲーションシステム(画像参照)によって格段に精度が上がり、高齢の方でも短時間かつ安全に治療ができるようになった。「『最先端の身体に優しい不整脈治療を熊本の地へ』を合言葉に、いざというときの受け入れ機関としてあらゆる不整脈の病状に対応しています」。
お酒やタバコを控えた規則正しい生活、また血圧計やアップルウォッチのアプリ機能を利用して検脈を行うなど、日頃から備えておきたい。
096-351-8000