CASE09 近視治療(ICL、レーシック)
パソコンや携帯電話の使用頻度が増えるなど生活様式の変化に伴い、年齢を問わず近視の増加が問題となっている。今、注目されている近視の治療法〝ICL〞と
〝レーシック〞について『佐藤眼科 熊本』総院長の佐藤先生話を聞いた。
角膜を削らないICL
新しい視力矯正法
近視や乱視などを矯正する場合、眼鏡やコンタクトレンズを使用するのが一般的だ。ただ最近は、QOL(生活の質)を上げるために手術治療〝ICL〞や〝レーシック〞を選択する人が増えている。ICL=眼内コンタクトレンズは、虹彩の裏側に特殊なレンズを埋め込むことで視力を矯正する方法。コンタクトレンズは目の表面に装着するが、ICLは目の中に入れるため、「コンタクトレンズのような手入れが不要で、裸眼と同じように生活できるのがメリットです」と佐藤院長は説明する。
手術は、目薬の麻酔を使用して行われる。黒目と白目の間を3㎜ほど切開し、丸めたICLレンズを挿入するだけのシンプルな手術。縫合の必要もなく、自然に閉じるので傷跡もほとんど残らないという。術中の痛みはほぼなく、明るい光が当たって眩しいため、針や器具などはほぼ見えず、不安を感じにくい。同院では不安がある人には笑気ガスを使用し、リラックスした状態で受けられる。また、ICLは角膜を削らずに視力を矯正するため、強度近視の人でも受けられ、ドライアイの影響を受けにくい。何より大きなメリットは、視力の安定性が高く、手術後に視力が低下しにくい点にある。「ICLを入れた後は、裸眼で1.5程度の視力を目指すことが可能です。基本的に視力は落ちません。ただし、40代半ばを過ぎると老眼の影響で、手元の見え方に変化が生じることがあります」と院長。
ごくまれに感染症や炎症が起きたり、レンズの大きさが合わなかったりする場合もある。もし炎症が起きた時は点眼の加療を行い、レンズが合わなかったり乱視の軸が少しずれる場合は、レンズの交換等の再調整が可能だという。ただ、同院では事前の精密な測定により、適切なサイズのレンズを選択することが大前提で、こうしたリスクは最小限に抑えられているので安心だ。

新しいレーザー機器導入で
見え方も向上した〝レーシック〞
ICLと並んで注目を浴びているのが、角膜をレーザーで整えて視力を矯正するレーシックだ。同院では〝フェムトセカンドレーザー〞という特殊なレーザーを用いてフラップをつくり、精密なエキシマレーザーで治療する。正確な照射が可能で、より早く乱視や近視を矯正していく。またICLが行えない、黒目と白目の間が狭い人にも適応できる。ただし、ICLとは異なり強度な近視やドライアイの方、術後に目を打撲する可能性のあるアスリートなどの方は難しいという。
いずれにしろICLやレーシックは近視治療としては画期的な手術。本人の適応性やリスクなどを踏まえた上で選択する必要がある。「まずは気軽に相談ください。最適な治療法をご提案させていただきます」と自信を見せる院長。ICLもレーシックも手術は自由診療で保険適用外となり、費用はレーシックは19万8000円〜39万6000円、ICLは27万5000円〜66万円(税込)となる。長期的な視力の安定性が期待でき、しかもQOLを高めるICLやレーシックの手術は、視力矯正の選択肢の一つとして注目されている。


樹尚会 佐藤眼科 熊本

